NHK大河ドラマいだてんにちなんだ文京区のプロジェクトスタンプラリーのスポットのひとつ占春園には、嘉納治五郎先生(1860年~1938年)の銅像があります。
嘉納治五郎先生や占春園についてご紹介したいと思います。
<嘉納治五郎先生について>
大河ドラマをご覧になっている方はご存知だと思いますが、嘉納治五郎氏は、「柔道の父」として有名ですが、いだてん主人公金栗四三が東京高等師範学校へ通っていた時の学長で、まさにこの学長がいなければ、金栗四三がオリンピックに出場ができなかったのではないかと思うほどの人物ですよね。
アジア人初のIOC(国際オリンピック委員会)委員を務めるなどもし、日本のオリンピック初参加に尽力もされました。1940年には東京オリンピック招致を成功させた人でもあります。(返上にはなってしまっていますが。)
嘉納治五郎先生は、日本のオリンピックを語る時に忘れてはならない存在のようですね。
<占春園アクセス>
「占春園」は、先日ご紹介した「教育の森」の入口から「文京スポーツセンター」の方へ向かい、スポーツセンターを左、筑波大学の建物を右に見ながら間の道を奥へと進んだところにあります。茗荷谷駅からは徒歩5分ほどで到着します。
木々で覆われ薄暗く感じる道の突き当りに、大きな石碑が見えてきますが、右側が「占春園」へ行く道、左側が筑波大学附属小学校へ行く道になっています。大きな石碑は昭和6年10月に東京高等師範学校創立60周年記念式典が行われた時に天皇陛下が行幸されたことを記念しての「行幸記念碑」です。
右側の鉄の柵の門を通って向かって左側の斜面一帯が「占春園」で散策できる場所となっています。
<占春園の歴史>
占春園は、もともとは、水戸黄門でお馴染みの徳川光圀の弟の松平頼元が1652年に上屋敷を構えた庭園だったということです。当時は「林には鳥、池には魚、緑の竹と赤い楓、秋の月、冬の雪」と四季折々の美しさで、江戸の三名庭(青山の池田邸、溜池の黒田邸)として数えられていたようです。
その後、1903年からは、いだてん主人公が通った東京高等師範学校(現・筑波大学)が湯島聖堂のある辺りからこの地に移り、占春園は校地の一部になったということです。
現在は、筑波大学附属小学校の自然観察園となっていますが、文京区も管理をしており、一般にも開放されています。
開園時間
4月から9月の期間 8時~19時 10月から3月の期間 8時~17時 |
<占春園の現在>
園内は様々な樹木が生い茂っていて、階段状の道を下りていくと大きな池「落英(らくえい)池」)があり、池の島になっているようなところに嘉納治五郎先生の銅像があります。
「自然観察」ができるようにと、あまり手を加えないようにということもあるでしょうか?うっそうとしていて、ビオトープのようで、名庭のイメージはほぼ残っていない状態です。
都会の中にいながらの森林浴ができマイナスイオンを満喫できる環境ではありますが、目の保養にはならないかというのが現状かと思います。
このような中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日した際に「嘉納治五郎先生の銅像が見たい」との要望があったようですが、案内ができなかったということがあったそうです。
このような経緯から筑波大学同窓会が「占春園復活プロジェクト」を立ち上げ、2020年東京オリンピックを前に占春園を復活させようと樹木の伐採やかいぼり作業が行われています。
2019年6月ごろにプロジェクト完了を目指しているとのこと。どのような姿になるのか楽しみですね。