後楽駅から徒歩8分、東京ドームのお隣には、周りの都会の喧騒から隔離されたかのように存在する都内屈指の名庭園「小石川後楽園」があります。
入場料金や見所についてご紹介します。
今から約400年前、江戸時代初期、水戸黄門として有名な徳川光圀の時に完成した水戸徳川家の庭を前身としていますが、
文化財保護法により、国の特別史跡・特別名勝の重複指定を受けている数少ない名所です。
(都内で重複指定を受けているのは、浜離宮恩賜庭園と小石川後楽園二つだけ。全国でも金閣寺・銀閣寺はじめ合わせて9か所だけということです。)
明の儒学者である朱舜水の意見をとり入れ、中国の教え「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から「後楽園」と名づけられたということです。
入園料は300円(65歳以上:150円、小学生以下都内在住在学の中学生は無料) とリーズナブル。 |
自然に恵まれた都会のオアシスのようなところで、シニアの方、家族連れ、欧米系の観光客、カップル、一人で訪れるとしてもお勧めできるスポットです。
小石川後楽園の<見どころ>
明朝の遺臣朱舜水の設計による中国趣味を基調としているとのことで、随所に中国の名所の名前をつけた景観があり、中国趣味豊かなものになっています。
庭園は池を中心にした「回遊式築山泉水庭園」になっていて、各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が巧みに表現されています。
〇大泉水
この庭園の中心には大きな湖がありますが琵琶湖を表現しているということです。
この湖にはカモちゃんたちがいて、カモの撮影に挑んでいるカメラマンや、カモちゃんたちのかわいい姿に見入っている親子がいます。
私も子供と行くとその場にとどまる時間が一番長いです。
また、湖のほとりには立派な松の木が植らえていますが、これは「唐崎の一本松」と言い、
安藤広重が描いた琵琶湖の美しい景色8景の一つを再現しているということです。
〇小廬山
一面がオカメザサで覆われた円い築山でその姿形が中国の景勝地・廬山に似ていることから江戸の儒学者・林羅山が名づけたとのことです。
山頂より庭園を見おろすことができます
〇大堰川
小石川後楽園内で川の景色を代表する場所。京都嵐山の麓を流れる大堰川にちなんで造られたということです。
流れの中ほどにあるのは「将軍腰掛の石」と呼ばれる石で、川と大小の石との配置が美しいと評判です。
〇シダレザクラ
樹齢100年以上というシダレザクラの古木があった場所に推定樹齢60年を越す見事なシダレザクラがあります。
〇渡月橋
大堰川にかかる橋渡月橋は、京都に同じ名前の有名な橋があります。
〇円月橋
儒学者朱舜水が設計したといわれる石橋できれいな半円型をしています。
水面に映る姿と合わせると満月のように見えるので、この名がつけられたということです。
石だけを積み上げて作られています。残念ながら老朽化のため渡れなくなっています。
〇内庭
水戸藩の書院の庭としてあった所で、昔は唐門を設けて「大泉水」を中心とした「後園」と分けられていたということです。
江戸時代には「うちの御庭」と呼ばれた池を中心にした純日本式の庭園。今も昔の姿をそのままとどめているといわれています。
〇稲田
庭園内には稲田もあります。農民の苦労を、徳川光圀が彼の嗣子・綱条の夫人に教えようと作った田んぼということです。
子供が小学生の時、ここで5月に田植え、9月に稲刈りをしました。毎年、文京区内の小学生にこの経験をさせてくださっているようです。
小石川後楽園の<お勧めの訪問時期>
1年中、様々な花が咲き、園内を彩っていますが、
その中でも
11月の紅葉は見応えがあり、多くの人が訪れます。
12月には雪まつり、
2月は梅まつり
も行われます。
梅まつりは毎年「梅香る庭園へ」と看板が立てられ開催されますが、
2019年の梅まつりは2月10日から3月4日に開催。
園内は、約90本の紅梅・白梅の梅林があり、花の見ごろには、一斉に様々な種類の梅の花が咲き乱れます。
梅の木には梅の木の種類の名札もついていて親切です。
この時期に行われる伝統芸能の公演や、特別ガイドツアー「梅めぐり」も魅力的です。
小石川後楽園の<まとめ>
休日、後楽園駅近辺は、遊園地、ショッピング、野球観戦やコンサートなどに訪れる人々で賑わっていますが、一方で、駅からの細い道を「小石川後楽園」へ向かう人々が列をなしています。
一日中、自然の中でゆっくり過ごすもよし、遊園地やショッピングの後に少しよって癒されていくもよし、自然あふれる都会のオアシスを堪能してみてはいかがでしょうか?